人生における蠍体験。ただ見ているだけなら良いのですが、実際に体験するとなると、それを引き受ける覚悟はもちろん、この世界を見る上での霊的な視点や智慧が必要となります。今回はお水のエレメントの2つ目のサインである蠍座をテーマとし、ASC・月・太陽などの視点から、実際の事例を元に書いてみようと思います。
アセンダントが蠍座の人たち
例えば身近な人にASCが蠍座で太陽が獅子座という人がいるのですが、基本的には非常に単純明快で、思い立ったら吉日といったような、火の要素を感じさせる動きをよく見かけます。一方、獅子座のわりには(というと太陽獅子座の人に怒られそうですが)“自分”を主張することがほとんどなく、基本的に人から何かを聞かれるまでは自分について多くを語らないという特徴があります。また、その場に流れる空気を無意識的に読んでいるところがあり、言わなくても人の気持ちを慮ったり、思ったことはあっても敢えて言わなかったりなど、慎重な側面を持ち合わせています。この人物は月も牡羊座のため、本来は瞬間湯沸かし器のような質が強い人なのだと思いますが、東半球強調型にもかかわらず、対人関係においては言外の空気感を読み取ってしまうがゆえの苦悩を抱えており・・一人になって島暮らしをしたい!と言っているうちになんと奥さんが実家に帰ってしまい、別居婚状態で今はイキイキと独身状態を謳歌しています。良いか悪いかは別にして笑
他のアセンダント蠍座の人から感じる傾向
ちなみに他にもASC蠍座の知人が数人いるのですが、いずれの人もその場の空気や人の気持ちを読み取ってしまうところがあり、それがゆえの繊細さ、生きづらさなどを抱えている様子を目にしてきました。しかしながら、例えば有名人でいくと、マツコ・デラックスさんなどもASCが蠍座の人ですが、人や社会を見る目が非常に鋭く的を得ており、そのウィットに富んだコメント力で多数の番組におけるMCとして活躍されています。ただ繊細で生きづらいというだけでは終わらない、表現の一例を見せてくれている人だと思います。

月が蠍座の人
月が蠍にある人は、やはり何事も本質に迫ろうとするパターンを持っているため、その本質に迫るための体験を自分自身に持たらす、というシーンを度々見かけます。ある知人は太陽星座が魚座の7ハウス、3ハウスに蠍座の月を持ってますが、人の内面を深堀りするようなコミュニケーションに長けており、職場の1on1では後輩によく仕事外の相談を持ちかけられたり、メンタル不調に陥っている人を見抜いて陰ながらケアをするなど、ナチュラルに人の深層心理に触れやすい傾向を持っている人でした。
月さそり座のこの人物が直面した蠍座的体験
さて、そんな本人にも蠍体験が訪れます。本人自身も基本的に気が優しく繊細で、他人の心の機微や心理状態にも意識が向きがちなため、ともすると弱った人に依存される・・という経験をしばしば引き寄せておりました。そんな彼女がある時、昔から何かにつけて相談にのっていたという既婚者の男性とただならぬ仲に陥ってしまい、結果的にその奥さまから多額の慰謝料を請求されるという事態を招いてしまったのです。
確かにされた側からすると激昂して当然の事態だとは思うのですが、よくよく聞くとその奥さまの側も、無かったことまで捏造して慰謝料の額を引き上げようとするスタンスで臨んでくるような方であったため、一連の出来事が落ち着くまでには約3年という非常に長い月日を要しました。その間の本人の心境というのは、まさにイナンナの冥界下りさながらといいますか、それまで経験から培ってきた考え方や人との関係性の在り方などを、根底から覆さざるを得ないようなものでした。私も身近で見ていて、一時期は、ただただ本人の話をノージャッジで聞き、状況や気持ちの整理をするさまを見守ることしかできなかったのですが、しかしながら蠍座のテーマは闇と対峙するだけでは終わらないというか。一度死んだような経験をした後には必ず再生というプロセスが待っていることを、最終的にはこの知人が証明してくれました。
一連の経験は、知人にとっては本当に辛く厳しいものでしたが、結果的に今では生まれ変わったように別天地で人生を歩み始め、それまでの人生の流れからは想像もできなかったような分野で新しいスタートをきっています。

蠍座の太陽といえばあの人…
身近な人から著名人まで思い浮かぶ人は数知れず・・という太陽蠍座ですが、たまたま最近NoboderというYouTube動画に堀江貴文さんことホリエモンがゲストMCで出演されていたのを観たばかりなので、ホリエモンを例に挙げてみたいと思います。
ホリエモンは皆さまもご存じの通り、東京大学を中退して現ライブドアの前進であるオン・ザ・エッヂを立ち上げた起業家です。また、旧近鉄バファローズやニッポン放送の買収(結局は失敗)、衆議院への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となりました。そして更にホリエモンを一躍時の人にしたのが、あのライブドア事件です。
逮捕され12ハウスへ…
六本木の自宅で逮捕され、そこから拘置所に収監されるまでの一部始終がリアルタイムで報道されました。まさに天皇陛下の即位パレードのごとく「今、◯◯の前を車が通過しました」というリポーターのコメント付きで、報道陣のカメラが地上と空の両方からホリエモンの乗った車を追い続けました。当時はまだテレビを自宅に置いていた私ですが、一人の私人がこれほどまでに注目されるというのは一体どういうことなんだろうと思った記憶があります。それだけ世間の注目を集めた出来事だったとも言えますが、今となってはあの放送をしていたのは、もしかしたらフジテレビの系列だったんだろうかとも思います。
それはさておき、結果的に懲役2年6ヶ月の実刑判決を受け、刑期を終えて復活した姿が今のホリエモンですが、刑期終了後に「ゼロ」という題名の本を刊行しています。副題には「なにもない自分に小さなイチを足していく」と書いてあり、まさにこの一言一句が、太陽蠍座に相応しいフレーズだなと思わずにはいられませんでした。ちなみにホリエモンのチャートを見ると、水星も蠍座で、射手座の海王星とコンジャンクションしています。本の内容紹介には「なぜ堀江貴文は、逮捕されすべてを失っても希望を捨てないのか?」とあり、この自伝的な本はまさに、この2つの天体のコラボレーションから生まれたんだなと感じます。
ホリエモンの様子から感じること
余談ですが、本人の昔のブログの走り書きにある「生まれた時間が23時ごろ」との記載が仮に真実であるとすれば、先ほどの水星と海王星は5ハウスに位置することになり、ASCと月は恐らく獅子座になります。何をしても結果目立ってしまうという宿命を負っているとも言えますね。まさに人生を通じて、この蠍座のテーマを壮大かつドラマチックに表現しているのが、堀江貴文という人物だと思います。
近年の言動やXやYouTubeでの発言をみていると、蠍体験以降、もう痛い思いをしなくてすむように公権力に取り込まれてしまったのかしら?と思うような節もありますが、個人的な好き嫌いは別にして、久々に目にした動画では、やはり経験したからこそ得られた知見や洞察力、智慧を持つ人としての奥深さを感じました。一気に谷底まで突き落とされるような事態に直面し、獄中で「一体なぜこんなことになったんだ?」ともの凄く内省し、必要な知識を補い続けたのでしょう。番組中では法曹界の大家に負けず劣らずの法律の知識を披露し、実体験に基づく今の司法の問題点を明確に提起していました。これも非常に蠍的な特徴だなと感じましたし、非常にオリジナリティー溢れる形で蠍座というテーマを表現しているホリエモンには、今後も注目していきたいと思います。

失ってこそ得られるものがある蠍の世界
他にも太陽を蠍座に持つ身近な人の例でいくと、セクシャリティーについて探求しYouTubeで発信している人、政府機関にアドバイザーとして出入りし霞ヶ関の光と闇の両方に触れている人、都心のど真ん中で生まれ育ちながらも人生の後半で180度環境の異なる大自然の中の山奥で生活するようになった人、元旦那さんと浮気相手の女性を地の果てまでも執拗に追いつめて社会的に再起不能にしてしまった人、等々が思い浮かびます。いずれも聞いている分には興味深いのですが、自分が何かしらの攻撃対象となってしまった際は、その末路が目に浮かぶようです。。
さて、彼らはこれらの経験を通じて一体何を獲得しようとしているのでしょうか。この人生を、仮に魂が設定してきた成長のゲームとして捉えるならば、ただ痛くて苦しい思いをするためだけに経験するというようなシチュエーションを、魂は絶対に作り出すことはないかと思います。
人生イケイケで進んでいるところにマンホールが待ち構える
蠍座はエレメントで言うと2番目の水のサインであり、12サインの順番では天秤座の次に来るサインです。どうしようも無い絶望感や孤独感、分離感といったものは、蠍座というサインの門をくぐる上での一つの通行手形のようなもの、そしてその門はハデスの住む冥界への入り口でもあります。冥界はもちろん死後の世界、そして意識の世界であり、現世的な価値観やものの見方は一切通じない場所。その冥界に足を踏み入れるということは、文字通り一度死ぬことを意味します。
もちろん生きている人間が死んでしまったら体験学習もそこでストップなので、ここでは冥界下りとして捉えていただきたいのですが、例えば生きている中で、ある体験を機にそれまでと「人生観がまるっきり変わってしまった」ということは無いでしょうか。
特にチャート上で蠍座が目立つ人=重要テーマになっている人、というのは、どんな形であれ、その体験の前と後では自分自身が根底から変わってしまったというような、まさに生きながらにして死と再生の門を通過するような出来事を経験しているのではと思います。
もちろんそのような意味において、決してその人の人生はエゴ的に楽なことばかりでは無いかと思います。非常に厳しい感情を経験することになりますし、ホリエモンのように実際に全てを失ってしまうような極限状態を経験する人もいるかもしれません。
しかしながら、そのような極限状態を経験した人は必ず、物事の本質を見極める力や人生への深い洞察力、経験から培った人間力や智慧といったような、霊的な視点から見て得難い何かを得ていることも事実です。
一方で、残念ながら蠍座にテーマを持つ人の全てが、この死と再生のプロセスをちゃんと引き受けられているわけではありません。そこはエゴも一体となり、ある意味行くところまでいく覚悟も問われるかと思います。エゴが火星の力を使って行き着くとこまで行き着いた先に冥王星が待ち構えており、人知を超えたタイミングでひとおもいに射抜いてくれる・・昔私に占星学を教えてくれた先生はこれを「人生イケイケで進んでいる時にいきなりマンホールに落ちるみたいな感じだ」と表現されていましたが、まさにそのような一寸先の闇までを火星が牽引していくようなイメージです。
蠍座の毒針はだれかを貫くためにあらず!
最後に。蠍のシンボルには実際の蠍同様に、毒が仕込まれた針や矢を思わせる尻尾がありますが、その毒針は自分以外の誰かに向かって突き刺すものではなく、自分自身が全く新しい物の見方や深い洞察力を獲得するために、自分のエゴに向かって突き刺すものなのだと思います。そのような意味で、蠍座というサインを全うするにはやはり、現世的な物の見方を超えて霊的な視点でこの世界をみていく力が必要だと言えます。
蠍座も非常に奥深いサインのため、その他天体の例や8ハウスの話までは全くもって行きつきませんでしたが、いつかのブログでまた書かせていただくかもしれません。そこは、ある意味で執念深く探究し続ける、継続力と持続力を持つ蠍座に免じて気長にお待ちください。
また次回ブログでお会いしましょう^^


