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魂の目的と職業のお話~乙女座の象意から言えること

季節は太陽乙女座のシーズンとなりました。また、このタイミングで新月も2回連続で乙女座でおきますので、どなたにとってもこの乙女座が示す象意と関連する出来事やテーマが浮上しやすく、また、それに伴った学びや気づきや起きやすいタイミングであるとも言えます。オリジナルのポジションでは6ハウスを司る乙女座ですが、ここにも絡めつつ、今回は職業に関する話題について考察をしていきたいと思います。

 

一般的に職業の話題になると、MCや10ハウスの話になりやすいとは思いますが、今回は「キャリア」という概念を主軸にしつつ、乙女座が表している世界観をベースに話を進めていきます。「キャリア」の定義については文中で説明させていただきます。

小さいころに憧れた職業・なりたかったものはありますか?

「大きくなったら何になりたい?」という質問を一度もされずに育った人は恐らくいないのでは?というくらい、我々は幼い頃から当たり前のようにこの質問をされながら育ちます。

 

ちなみに私は、5歳くらいまでは「ケーキ屋さん」や「お花屋さん」。本を読むのが好きだったので小学校になると「小説家」、卒業する頃には父親に吹き込まれて何をするのかよくわかっていないのに「弁護士」と答えるようになっていました笑 

 

振り返ってみても、やはり親の価値観がベースにあった選択肢・・という感じで、法学部までは進んだものの、当然ながらその後法曹の道に進むことはありませんでした。一方で、私自身のチャートは木星が特徴的なので、法というジャンル自体はそれほど外れてはいなかったかもしれませんし、そのことがきっかけで開けた道もあると思っています。何より魂の視点で考えると、そもそもそのような親を選んできたという観点で、そのプロセス自体も必然だったのかもしれませんね。

 

さておき、そのような夢や希望に思いを馳せられるというのは、ある意味で時代背景も関わっているでしょうし、当然ながら一昔前の子供が一家の働き手としてみなされるような時代であれば、そのような質問自体をされることもなかったかもしれません。その意味ではある種、自分の未来に夢や希望を持てるような幸せな時代に、我々は生きていると言えるのかもしれません。

 

しかしその一方で、ただ生存することが人生の主たる目的ではなくなったことから「一体自分は何のためにここに生まれてきたんだろう」とか「自分をどのように活かしていけば良いんだろう」といったことを考えて、それがいつまでも見つからないことに焦りや不安を感じる人も増えてきているように感じています。

花屋さん
花屋さんといえば、将来の夢の話でよく出てくるイメージ。今の子はどうなんだろうか。

“何のために?”を「職業」に落とし込むということについて。

ちなみに個性占星学のセッションにも、この「何のために」という問いに対する答えを求めていらっしゃる方が多くおられます。それ自体は非常に神聖な問いであり、その問いに対する答えを見つけようとするプロセス自体も非常に尊いものであると、個人的に思っています。私自身もその問いの答えを長らく探求してきたうちの1人です。

 

一方で、中にはその問いの答えを「職業」や「キャリア」に落とし込もうとご相談に来られる方も決して少なくはありません。それもそのはずで、私たちは幼い頃からこの社会の一員として、何かしらの役割を発揮することが求められる前提で、教育を受けてきています。また、できるだけその中でも有利なポジショニングを取れるように、両親や先生など身近な大人たちから叱咤激励されながら育った人も、中には大勢いらっしゃることでしょう。

 

余談ですが、よくある「なりたい職業ランキング」もそんな世の中を反映しているな〜とつくづく思います。このリサーチも、教育サービスのベネッセさんやランドセルなどの製品を提供しているクラレさん、学資保険の企業さん等が毎年実施しているようです。

 

試しにそれらを見てみると、小学生や中学生の人気ランキングの1〜2位くらいまでは概ね子供の夢や希望を反映している職業名が書いてありますが、それ以降には公務員や国家資格の医療従事者などいわゆる手堅い職業が軒を連ねます。また、とある企業のリサーチでは、何とトップ3に「会社員」がランクインしており、これは子供の発想だけでは到底行き着かない選択肢だなと、考えさせられるものがありました。

 

わたし自身も結果的に会社員を経験しているので、これ自体が悪いとは思いませんが、いわゆる“夢や希望”とはちょっとかけ離れているように感じますし、これはひとえに、我々大人の内面や生き方そのものを投影しているのだろうなと、襟を正される思いです。

結論、魂の目的と職業は切り離して考えましょう

さて、話をもとに戻します。長年キャリアカウンセラーという仕事をやってきた私ですが、深淵な星の世界に触れるにつれて、いわゆる「社会で自分をどう活かしていくのか」というキャリアや職業といった視点と、そもそも「魂は何のために生まれてきたのか」という視点は、明確に切り分けて考える必要があるなと、ますます考えるようになりました。

 

(参考)キャリアとは:就職・出世・現在の仕事等の点や結果を指す言葉ではなく、働くことに関わる「継続的なプロセス(過程)」と、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。つまり、キャリアを積むということは、この仕事の経験を積むという事だけではなく、その仕事に取り組むプロセスの中で、身につけていく技術・知識・経験に加えて、人間性を磨いていくこと、そしてプライベートも含めた自分自身の生き方を磨いていく事なのです。

※1:厚生労働省『キャリア形成を支援する労働市場政策研究会』報告書より。

 

もちろんネイタルチャートを紐解いていった時に、何かしら社会で自分を表現することを人生の目的に据えてきた人、という読み方ができるケースもあります。

 

その場合は、社会の中で表現したい自分をどうすればよりベストな形で表現できるのか、こう在りたいという自分になるためには何が必要か、といったようなことを、これまでのご本人のご経験や社会の流れも踏まえつつ、星の観点から読み解けることをお伝えしていきます。

 

しかしながらこの場合も、当然ながらその先にある目的自体は、社会で自分を表現するという経験を通じて◯◯というテーマに取り組むこと、◯◯というテーマを克服し自分のまだ見ぬ可能性を広げていくこと、ということであったりします。

 

つまり職業というのは、魂が掲げてきたテーマに取り組むための一つの手段でありツールであるということです。

様々な職業
職業は目的となるテーマを果たすための手段

魂は職業に就きたいわけではない

更に言うなれば、魂の視点から星を読み解いていく占星学の視点でいくと「この職業につくためにこのタイミングで地球に生まれよう」と設定して生まれてくる魂はいない、というのが結論です。職業やキャリアに夢や希望を抱いている人が聞いたらガッカリするかもしれませんが。

 

とは言えこのこと自体も、死後の世界を少し想像をしてみると、見えてくるものがあるのではないでしょうか。この世界が物理的なものを体験する世界であり、死後の世界は意識の世界であるということを踏まえると、我々が死んだ後にあの世に持っていけるのは、人間社会で得た肩書きや地位や名声といったものでは当然なく、“それらを得る過程で得られた別の何か”であることはしごくナチュラルな結論であると個人的には思います。

 

つまり、魂が「あ〜、この人生は自分にとって有意義な人生だった」と思ってあちら側の世界に戻っていけるかどうかは、究極的には「魂が掲げてきたテーマにどれだけアプローチをできたか」「自分が知らなかった可能性をどれだけ知ることができたか=未知を既知にできたか」といったことにかかっている、そして、このこと自体が“自分を幸福にすること”に他ならないと、我々はそのように捉えています。

乙女座というサインが示すものとは

ここまでお伝えしてきた前提をベースに、あらためて乙女座というサインについても考えてみたいと思います。一般的な占星術の世界では、そのオリジナルポジションからも、“日常”や“奉仕”、社会の中で何かしらの役割を果たすという意味あいにちなみ、“労働”といったテーマに関連づけられていることがあります。

 

一方で、我々の提供している個性占星学においては、乙女座についてそのような解釈を主とはしておりません。既に述べてきたように、チャートを魂の視点から読み解いていくわけですが、もし仮に、乙女座の象意の一つに「この世界で何かしらの役割を担う」というものがあると捉えるのであれば、それは必ずしも、人間社会における職業や労働というものに可能性を限定をするものではないという前提に立つからです。もちろん個人個人のネイタルチャートも、その前提で可能性を深堀りしていきます。くどいようですが、魂はこの職業につくということを目的に掲げてこの物理次元にやってきたりはしない、と考えているからです。

 

乙女座はギリシャ神話で言うところの、地母神であるデメテルを象徴するサインです。そして、このデメテルが地母神であるということが、乙女座を理解する上で非常に大きなポイントになります。

今回の乙女座シーズンに取り組むべき大切なこと

新月が乙女座で2回連続で起きるこの期間は、ぜひ、この地母神であるデメテルの視点を持ったつもりで人生を振り返り、未来の自分に向けて、あらゆるものを整理整頓してみると良いかもしれません。

 

乙女座は地のサインなので、ここには当然現実的なアクションが含まれますし、柔軟宮の2番目で、地平線から上の世界に出ていく前の最終段階のサインでもあるので、そこには次のステージに備えることや、これまで取り組んできたことに対して結論を出していく、といった意味合いも含まれます。

 

加えて乙女座の180度向かいにあるのは魚座です。乙女座と同じ柔軟宮ですが、魚座はエレメントで言うとお水のサインであり、意識など見えない世界と関わるサインでもあります。

 

従って、この魚座の視点をいかに取り入れていくのかといった点もまた、非常に重要だと思います。

整理整頓する上での一つのやり方として、キャリアの世界でもよく使う手法も交えつつステップをご紹介しておきます。

 

①自分のこれまでの過去を振り返ってみる(過去)。

 

②なりたい自分の姿をイメージする(未来)。

 

③現状となりたい自分の姿のギャップを埋めるためにできるアクションを具体的に考える(現在)。

 

ちなみに③は、物理的なものだけではなく、もしその中に「既に不要になってしまった価値観や概念」などが含まれていたら、それも書き出してみてください。その上で、自分の中で「これらを手放す」と明確に決めてください。

 

人によってはそれが中々難しかったりするかもしれませんので、アファメーション(例:私は古い価値観や概念を手放します、私は自分の魂が持ってきた最上の可能性を発揮しています)を取り入れてみるのも有効かもしれません。ぜひ、この機会に取り組んでみることをオススメします。

 

朝夕以外はまだまだ暑さを感じる気候が続きそうですが、人生に新しい風を吹き込む大切なタイミングだと捉え、私自身も怠惰さを返上して取り組んで参ります。

 

それでは、また次回のブログでお会いしましょう^^

この記事を書いた人:

プー
三面観音プー

占星学士。人材業界大手企業等で培ったキャリアカウンセラーとしての知見を活かし、2021年から占星学をベースにした独自のカウンセリングやグループ活動を開始。のべ3,000人以上の転職サポートをした経験と占星学の要素を取り入れたセッションには定評がある。より詳しくは講師紹介ページをご覧ください。

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