· 

乙女座の抱える難しさとは~オードリー若林さんの人生哲学

自分は普段テレビも見ないですし、芸能人に特段関心があるわけでもないのですが、乙女座の芸能人を一人あげてみてと言われた時にはその中の一人としてオードリーの若林さんについて思い出します。相方のキャラが濃すぎるためクローズアップされることがやや少ない気がするものの、彼もまた多くの峠を越えながら生きてこられた方なのではないかと自分は感じます。

 

この人の発言からは、とても乙女座の男性が持った繊細な側面がにじみ出ている気がするのです。同じく乙女座の男性である自分がこのように語るのもどうかと思う反面、やはり彼の抱えてきた葛藤には共感できるポイントがたくさんあります。今回はそんな乙女座生まれの本人が葛藤しながらもひねりだした人生哲学について触れていきたい。

乙女座の抱える葛藤

乙女座の抱えるむずかしさ、葛藤として一つあげられるのは評価に関するものではないかと思います。乙女座は地の質を持ったシビアなサイン。毒舌、批判的というように一般的な占星術でも表現されたりしますが(我々的にこの表現は半分正解で半分が不正確)、このサインが評価しているのは何も外側の世界だけではありません。このサインはともすると常に自分に対する評価が付きまといます。

 

これは乙女座の持つ構造、そしてそこからくるテーマに由来する傾向だといえるでしょう。この側面は乙女座にある種のストレスをかけますが、それ故に乙女座の持つテーマへと、ベクトルが向かうようになっているようにも思います。そしてこれは今回紹介していくオードリー若林さんの言葉にも見え隠れするものです。

オードリー若林の名言から見る乙女座

今回触れていくのはオードリー若林さんと乙女座について考察した二つの投稿です。まずは一つ目、こちらは先ほども述べた乙女座の「評価に関する葛藤」が伺える本人の発言をピックアップしたものになります。

 

オードリー若林の名言が流れてきた。なんだか地を感じるなあと思って調べてみると太陽乙女座生まれの模様…

流れてきた言葉はこのような言葉。

 

「生き辛さの原因のほとんどが他人の否定的な視線への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が他人への否定的な目線をやめるしかない」

 

乙女座って理想が高いがゆえに人の視線や評価をベースに自分をいじめがちだと思う。一言で言ってしまえば、自分へのジャッジが厳しい。しかし同時に、他人の否定的な目線を感じるのは、ある意味自分自身が他者をシビアに見ているからでもあると思う。

 そういう意味で乙女座太陽や月、ASCだったりすると自分の理想と現状のギャップ、そして他者からの評価という点で悩んでしまうことも。人それぞれその悩みから抜け出る手段は違うと思うけど、そんな乙女座生まれのオードリー若林はこうも語っている。

 

「ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。」

 

これ、すごく乙女座的な、核心を突く言葉だと思うのよね。

 乙女座はともすると視野が狭くなりがち。基本シビアだしそういう意味では気を付けないとネガティブに偏りがちだと思う。

 

でもその一方で、このサインは集中力があるサインだと思う。それはこのサインが丁寧に取り組んでいく力と関わっていることからも言える。また、乙女座は地なので現実的な取り組みには特にこの力を活かしていける。

集中している間は不安に焦点が向きにくい。実に乙女座らしい改善策。自分も乙女座なので参考にしてみようと思いましたん。

乙女座の本人は没頭することに関してこうも語る

次に僕が別のタイミングで投稿した内容をご紹介。乙女座である若林氏は没頭することに関する哲学をこのようにも表現しています。

 

「唯一ネガティブな時間から逃れられる人生の隠しコマンド、それが“没頭”である」

 

これは乙女座のオードリー若林の言葉。本人は自身の性格について「考えすぎる性格」と話している。そんな本人が導き出した乙女座的な答えが没頭だった。

 

【今日は乙女座から考えるネガティブと没頭についてのお話】

 

本人は休息をとるためにでかけた旅行先ですら、考えすぎな癖が抜けないらしく、自分の中にはネガティブモンスターが住んでいるのではないかと話している。

そんな筋金入りのネガティブさを持つ本人ですが、チャートを見ると太陽、水星、土星を乙女座に持って生まれているのが確認できる。土星まであることから、乙女座に大きくテーマを持っている人物であることはすぐにイメージがつく。

 

そんな本人はネガティブな沼から抜け出すアイデアとして、没頭という手段を見出した。乙女座は細かい作業に集中できるところがあると思う。若林本人はネガティブモンスターについて、「時間が弛緩している時、暇な時にやってくる」と語る。

 

ネガティブな時、色んなことを考えすぎてしまう時って意識が散漫になっていたりする。過去や未来に意識が飛んでいる。だから次々不安なネタが出てきやすい。そういう状態の時って要は意識が今この瞬間にない。時間が弛緩しているとき、という表現を本人はしているものの、これはつまり、わかりやすい一例でイメージするとしたら退屈な時間も含まれるのではないかと思った。頭が退屈していると、不安や心配を探してしまうことってあると思う。

 

逆に没頭してる時って今にフォーカスが効いてる時でもある。取り組んでいることそのものに意識が集中されているから、他の終わったことやまだ来ていないことに気を取られにくい。目の前のことに取り組んでいるとき、過去の後悔や未来の不安は同居しにくい。

 

完璧主義と言われやすい乙女座は、できていない部分に気を取られやすいサインでもありますが、没頭、集中という形で雑念を排除する職人気質な改善策も、ある意味乙女座的なのではないか思う。

 

とはいえ本人がこのアイデアをひねり出すに至るまで、きっとかなり苦労をされたのではないかと思った。

 ともすると細部に気を取られ、考えすぎてしまう乙女座だからこそ、自分の意識をいかにマネジメントしていくか、そこもテーマだと思う。

 

オードリー若林のこの話からは、乙女座らしい姿勢や弱点、テーマが大きく表れていると感じられるのでした

乙女座の構造から考えてみる

乙女座は地のエレメントに属しており、これは柔軟のモダリティに属するサインです。ルーラーは水星。またこのサインは6番目、ディセンダントのすぐ下の段階を担当しています。ここもおそらく本人のネックになった要素だと考えられるでしょう。評価に関する話が何度も出てきていますが、このような点に関してジャッジが厳しくなる癖というのは、やはりこのサインが持つ難しい側面の現れ方の一つ。思考とも関わる水星がルーラーであり、具体的な地のエレメントであることからも、主に細かいことを考えすぎるということは容易にイメージができる組み合わせの構造を持っています。このサインは完成度の高さを要求します。また、本人は大の読書家でもあるようです。読書という動きもまた乙女座のルーラーである水星が関連している動きです。

 

本人の生まれた時間が分かればさらにここは深く考察することができるものの、少なからず没頭というアプローチで改善されたのだとしたら、火星的な質が特にキーとなる時間に生まれたのかもしれません。ここは明確でないためこの辺にしておこうと思います。

大地のに芽吹く植物
大地に芽吹く植物のイメージ。これは北の最後の地のサインである乙女座が管理する世界。

乙女座と男性という組み合わせ

乙女座はその名のごとく乙女をシンボルとするサインですが、これを太陽サインに生まれた男性というのは、ある意味繊細なイメージをすることができるでしょう。もちろん実際は様々なチャートの要素が加わるため、すべての乙女座生まれの男性がそうであるという短絡的な話では決してありません。

 

しかし、男性性と女性性の性質としてその特徴を考えたとき、より繊細な性質を持つのは実は男性性だったりします。男性性と言うと、図太くマッチョな、力強いイメージのスーパーマンのようなイメージばかりが先行しがちですが、例えば繊細な感覚や技術を必要とする料理人は男性のほうが多かったりしますよね。ここには実は大きな誤解があったりするのです。

 

本人は自身のことをネガティブモンスターであると語っていますが、とても繊細な感性を持った人物なのかもしれないなと自分は感じました。そんな本人は実際、人見知りだったりもするようです。しかし同時に、この繊細さが持つ可能性として、乙女座的な細やかさもまた、同時に生かしてこられたのではないかと思います。

細やかな技を持つ男性
繊細な技術を扱う男性の職人。男性性の強みを活かした例の一つ。

乙女座に土星を持つ人物

若林さんは前述の内容でも触れているように、乙女座に太陽、水星、土星を持って生まれている人物です。特に太陽だけでなく土星もそこにあるという意味では、本人にとってそう簡単ではないテーマであることがイメージできるでしょう。乙女座の土星と言っても様々な側面があるため一概には言えませんが、占星学にあまり触れていない人でもイメージしやすいものがあるとしたら、自分は職人を育てる親方的な土星であるとも言えると思います。この土星は時に神経質な側面や、なかなか自分の実力に自信が持てないような状態を作り出す可能性があります。本人のネガティブモンスター発言からは、実際このような土星の作用があったのかもしれないと感じます。

 

また、霊的な占星学としての視点で考えるとしたら、この組み合わせは特に自分の意識がどのような作用を生み出すかを見出させようとするものでもあります。

 

今回は話が逸れてしまうため具体的には触れないものの、本人がうまく調整し難いものを抱えた部分としては、乙女座の水星と海王星のスクエアも挙げられると思います。乙女座生まれで乙女座水星が海王星とスクエア。この配置とよく似た人物としては、宮沢賢治が代表的です。彼もまた多くの葛藤を抱えた人物でしたが、このアスペクトを自分の可能性の一部としてプラスに表現した人物だったといえるでしょう。

相方の太陽サインは水瓶座

余談になりますが、相方の春日さんは水瓶座生まれの人物であり、水瓶座に三つの天体を持っています。ちなみにその三つは太陽、水星、火星…要するに個人に大きく関係するカテゴリの星たちが集まっているということです。また、それらの天体たちには天王星がスクエアでアスペクトしており、このあたりから、春日さんのあのぶっ飛んだキャラクター像が出てきているのだなあと思います。特に火星と天王星の組合せは飛躍的な、ある意味衝撃を与える組合せです。

 

乙女座生まれであり、乙女座が目立つ持つ若林さんと、水瓶座生まれであり水瓶座が目立つ春日さんという組み合わせ。乙女座と水瓶座は150度の関係性になります。これは、かなり特徴が異なる組み合わせです。つまり、乙女座と水瓶座とでは着眼点が違います。もし若林さんが水瓶座生まれだったなら、本人が抱えてきた葛藤や、そこに対する向き合い方も全く違ったものになっていたかもしれません。二人が並んだ時に、その人格も含め雰囲気の違いが一目で伝わってくる印象があります。チャートにもこのような形で二人のコントラストが描かれているのが面白いですね。

乙女座と水瓶座のシンボル
乙女座と水瓶座のイラスト。これらのサインは150度の関係性である。

オードリー若林さんと乙女座に関する今回の結論

自分が若林さんを最初に見たとき、正直そこまで特徴的な印象を持つことができませんでした。しかし、改めて占星学を学んだ後にその視点で本人のことを調べてみると、その印象は自分の中で大きく変わっていきました。今回のテーマに限らず、乙女座を感じさせるエピソードが非常に多い人物だなと思います。本人の乙女座的な苦悩が生み出した哲学は、まさに持ち前の自己分析力の賜物だと言えるのではないでしょうか。

 

今回はあくまで乙女座という切り口からひも解いていきました。同時に本人の様子については、例えば牡牛座に持った天体からなど、他にも様々な考察ができます。やはり実在する人物のエピソードとともにネイタルチャートを見ていると、その人が生まれ持った構造がどのようなパターンを生みだし、それがプラスのパターンに昇華されていった先にどんな可能性として力になっていくのか、そういった部分が生々しく浮かび上がってくるように感じられます。ネイタルチャートに描かれているのは生きた可能性そのものなのだなと。改めて、今回の記事を書きながら人の可能性は明るい部分と暗い部分が表裏一体であることを実感させられました。

この記事を書いた人:

タニコ
タニコ

占星学士。教育をテーマに立ち上がった占星学グループで霊的な占星学を学び、講師としても研鑽を積む。2021年に個性占星学を立ち上げ活動を開始。霊的な学校で意識と現実について10年以上学んだ経験も活かしながら、三面観音プーと占星学講座とセッションを実施中。Xでも占星学について投稿中です!より詳しくは講師紹介ページをご覧ください。

個性占星学主催の占星学講座&セッションはこちらから!!

個性占星学講座 個性占星学セッション