秋も深まり、そろそろ今年を総括するタイミングに差し掛かっていますね。個人的には今年は「水星力」について考えさせられる場面が多くあり、自分の頭の整理も兼ねて書き連ねてみました。結局は、水星も使いようですが、身近なコミュニケーションから、変容の術である錬金術との関わり合いを持つ水星の奥深さ・幅広さなどなど・・水星の持つ世界観の一旦を感じていただければ幸いです。
双子座の母から沢山の言葉を浴びて育った私
さて、みなさんは水星という天体についてどんなイメージをお持ちでしょうか。私は太陽星座が乙女座ということもあり、わりとチャートの中でも意識が向く天体なのですが、そもそも星の世界を学ぶ以前から、この水星が表す領域の一つ「言語やコミュニケーション」について幼い頃から興味関心が向いていました。
というのも、私の母親が双子座に5つも天体を持つTHE 双子座人間であった、というのも大きく影響していると思います。母は既に齢80歳を過ぎていますが、知らない第三者に母のことを形容して説明するならば「好奇心のまま自由奔放に振る舞う子供が、そのまま大人の身体になって気がついたらおばあちゃんになっていた」みたいな人だと伝えます。娘の私が言うのも何ですが、未だに少女のような可愛らしいところがあります^^
何でもちょっとやってみたい、触れてみたいという子供のようなところがあり、外食などをして違うメニューを頼むと「ちょっとだけ味わってみたい」と言って人のおかずを一口所望しますし、数年前はローラー型のロング滑り台を見て「ちょっと滑ってみたい」と言い出して、結果尾てい骨を思いっきり擦ってしばらくかさぶたを作っていたりもしました orz
ピーターパンのような水星(ヘルメス)
双子座や水星あるいは3ハウスが効いている人は、きっと同じような側面をどこかに持っているのではと思いますが、占星術の世界でも、彼らのことを「ピーターパンのような人」と表現されているシーンをしばしば見かけます。人生がたった今始まったかのように、常に好奇心旺盛であるがゆえに溌溂とした若さを感じさせるのか、はたまたそのままの精神をずっと維持し続けているので“永遠の少年・少女”のように見えるのか。
(これはこれで、ユング派の分析家たちが使う性格タイプにも組み込まれています)
私が保育園に入る頃までは、母は父の家業をサポートする事務員さんのような感じで、実質的に、電話番以外はほぼ専業主婦でした。父は日中は家に居なかったのと、兄弟も進学していたため、1日の大半をこの双子座エネルギー満載の母と共に過ごしていたのだと思いますが、この母は本当によく喋ります。笑
余談ですが、大人になってからとあるタイミングで母を会社の上司に会わせる機会があったのですが、その母と30分くらい時間を共にした関西人の上司は、帰り際に「お前の母ちゃん、よー喋るな」と言って去っていきました。
そんな、口から生まれたような母のおしゃべりを、きっと無意識のうちに浴びながら育ったのでしょう。私は言語を習得するタイミングが同世代の子供たちよりも比較的早く、保育園の頃には、特に誰から学んだわけでもないのですが、兄弟の本をなぜか漢字も含めて朗読するようになっていました。確かに本もよく読んでいたと記憶していますが、保育士の先生から「きっとお家でお母さんとよくお話しているんでしょうね。」と言われたことが印象に残っており・・今の母を見ていても、本当に始終何かについて喋っているので、先生の指摘は的を得ていたんだろうなと思っています。まあ、そんな母を選んで生まれてきたのも魂の視点から見れば必然と言えるわけですけど。

双子座の水星力と乙女座の水星力の違い
ちなみに水星をルーラーとするサインは双子座と乙女座ですが、ルーラーは同じでもその表現には違いがあることを、自分の身近な人たちを観察していて思います。水星は太陽の28度内外にあることは知られていますが、目的に応じてその好奇心を発揮する天体、と捉えたときに、この2つのサインは明確にモチベーションが異なるため、その水星の表現が異なってくるのも、しごく当然のことです。
双子座のルーラーとしての水星
私見混じりで表現するならば、太陽双子座が発揮する水星の力というのは、まさに「知への渇望とあくなき探究心」の賜物であり、知ったことを誰かに共有することもまた、セットになっている水星。軽やかさとスピード感を持ち、好奇心と遊び心にあふれた、まさにピーターパンのような水星、というイメージです。
生徒さんにも、この双子座を太陽に持つ方が複数おられます。講座では生徒さんのチャートも題材にしつつ学習を進めていくのですが、人生経験からくるネタも豊富かつバラエティーに富んでいるので、一つのポイントを掘り下げるといろんなエピソードが出てきます。
とある方は、講座当初は話すのが苦手なようなことを仰っていましたが、回を追うごとに自己認識を深めていき、最近ではもはや講座をそっちのけで我々が話を聞いていたいほどの、ストーリーテラーぶりを発揮されています。側から見ると割合壮絶な経験をされていても、大した悲壮感もなく時にユーモラスに語ってくださるので、こちらも重くならずにむしろ聞き入ってしまうのが常です。
双子座ではないですが、違った意味でユーモラスなサインである獅子座の側面についても過去の記事で触れています。ぜひこちらの記事(獅子座と鬣についての考察)もご覧ください。この記事では獅子座と双子座のユーモアの違いについても触れています。
乙女座のルーラーとしての水星
さて、一方の乙女座の水星力はというと、同じ情報に出会ったとしたら、どちらかというとそれらをしっかりと観察・分析し、正確に理解をしようとする方に比重が寄っていきます。
チャートで言えば、6ハウスが乙女座のオリジナルのポジションである、と言ったことも関わってきますが、スピード感よりは正確さを重視する傾向が強まります。この正確さへの拘りとも言える傾向が、ともすると自分をジャッジし過ぎて、自分で自分の自己肯定感を下げてしまうようなところがあります。また、先ほどの双子座の方々のように、知ることが全てという軽やかなテンションでもないことから、ともすると深刻に考え過ぎてローに入ってしまうところがあるため、ここは乙女座が抱える一つの難しさだと感じています。自戒を込めて。乙女座が抱えるむずかしさに関してはこちらの記事(乙女座の抱える難しさとは)で触れています。
水星の持つ奥深い世界観
ルーラーが同じでもサインの質によって水星力の発揮する方向性が異なる、という一例について話をしましたが、実際には太陽が双子座・乙女座であっても、水星が他のサインである可能性もあります。また、他天体とのアスペクトや位置するハウスによっても表現が異なるため、あくまでも双子座と乙女座のルーラーとしての水星、ということで捉えていただければと思います。
さて、ここからは水星そのものについても触れていきたいと思います。
水星はギリシャ神話のヘルメスを象徴する天体ですが、そのヘルメスが表現する質のバリエーションやレイヤーの幅広さというのは、その成長過程とも関連しています。因みに先ほど例にあげたピーターパンのような質、というのはヘルメスがまだ幼いころの状態とリンクしており、悪びれもせず盗みを働くなど、善悪の区別がないいたずらっ子の側面であり、ここからは、偏見を持たずに物事を知ろうとする水星の質を感じ取ることができます。

錬金術と水星
しかしながらそのヘルメスという存在も、古代ギリシャ=ローマ時代の後半になると、エジプトにおける神々の書記官である、トート神と象徴的に結び付けられました。また、更にその威光を継ぐ人物としての錬金術師・ヘルメスが同一視され、“ヘルメス・トリスメギストス”と称されるようになります。※3人のヘルメスの質を合わせた存在「3倍偉大なヘルメス」という意味。
少々オカルト的な話題になりますが、みなさんもどこかで「エメラルド・タブレット」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。仮に目にしたことがなくとも、そこに書かれている一文『下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし』は現代でもしばしば引用して使われることが多いため、ああこれか、といったところかもしれません。このエメラルド・タブレットを書いたとされる存在が、この「ヘルメス・トリスメギストス」だと言われています。
タブレットの実物は存在しない為、伝説上の話なのでは?という見方もありますが、版には錬金術における12の奥義が記されているとされており、実際フリーメイソンなどの秘密結社の教義にも影響を与えているようです。因みに錬金術とは、平たく言うと卑金属を金に変える術ですが、より広義では人間の魂や肉体も含めてより完全な存在に錬成する試みそのものを差しています。
錬金術の詳しい話は、個性占星学のタニコさんの得意分野なので詳しい話は割愛しますが、水星を象徴するヘルメスが、変容と関わる錬金術とも関わっている、というのは非常に興味深い話です。
水星を使うこと~人間の脳の持つ可能性
例えば「思考は現実化する」というタイトルの本が、ビジネス界隈でも一時期有名になりましたが、これは、世界の鉄鋼王のカーネギーに依頼され、ナポレオン・ヒルが体系化した“万人に共通する成功哲学”が書かれた書籍です。
ヒルが行った成功者へのインタビューをもとに体系化された内容が書かれていますが、例えばその中に「深層自己説得」というものがあります。これは、五感を通して自らの深層心理に与えるメッセージのことであり、意識的な思考を潜在意識の部分に教え込もうとするやり方、です。占星学の世界で言えば、まさに「自分の水星をいかに使っていくか」ということと関連します。
先ほど前段で、乙女座はともすると自己肯定感を自分で下げやすい、ということを書きましたが、自分に対して正確な評価をすることは大切ではあれど、同時にこの水星力をいかに使って自分の現実をマネジメントしていくか、というもの同じくらい大切なことだなあと、最近ヒシヒシと感じています。

水星を使ったセルフマネジメント
このセルフマネジメントに使える手法論は世の中にたくさん溢れていますが、NLP(神経言語プログラミング)なども、興味深い手法の一つです。カウンセリングやコーチングの場面でよく使われる手法ですが、もちろん自分自身のセルフマネジメントにも使えます。
例えば、非常にシンプルで今日から使える考え方の一つとして“自分が普段自分に対してどんな言葉を投げかけているのか”に意識的になる、というものがあります。
具体的には、人間の脳は質問を投げかけると毎秒A4用紙で約30ページ分を脳内で検索し、答えを探そうとする機能があると言われています。例えば「私が持っている素晴らしい点を教えて欲しい」というとそれを探そうとするし「なぜ私はこんなに不幸なんだろう?」と投げかけると、不幸の原因や理由を膨大に探してくれる、というわけです。いわずもがな、後者は自分で自分の自己価値や自己肯定感を下げ続けることができる、一番簡単なやり方ですよね。ここもまた、占星学で言う水星力をいかに使っていくのかの重要性を示す、典型例だと言えるのではないでしょうか。
因みに今は、AIなどの人工知能を相手に自分の悩みを相談するという人も増えているようですが、実は人間の脳も、上記の通り本当はAI同様に無限の可能性を秘めていると言われます。実際には、そのうちの数%しか使っていないという見方もあれば、実はそれは都市伝説で、実際にはほぼ100%使っているという見方も一方ではあるようですが、これには私個人は懐疑的です。というのも、一つには自分自身が今日お伝えしている水星力の一つである「言葉」や「思考」を使っていろんな奇跡を経験してきたからです。(厳密には言葉だけではなく、イメージと体感が伴ってこそ現実に現れる、のだと思っていますが。)
また、脳を的確にトレーニングすることにより、一般的には超能力者と言われるような能力を身につけた方のスキルを実際に目の前で見たこともあります。他にも、脳を研究している国内外の学者の方々が書いた文献などを見ていても、本来の人間が持つポテンシャルというのはやはり、未知数なのだなと思わざるを得ないところがあります。
水星力も使いよう~今回のまとめ
母親の話から水星の持つ一側面についてのお話まで、好き勝手に書いてしまいましたが、お伝えしたかったことはシンプルに、やはり「水星も使いよう」だということです。今年はこの水星力を巡り、自分自身も色々ともどかしさや不自由さを感じる場面もありましたし、他人との関わり合いの中で、考えさせられる場面もありました。
因みにその一例で言うと、今年はなぜか「息を吐くように嘘をつく人」によく遭遇しました。笑 ヘルメスも元々は「嘘つきの神様」としてゼウスが生み出した神ですから、これもまた水星の示す質の一側面と言えるわけですが。一方で「こんな人とは付き合ってはいけない」というブッダの教え、というものがあります。いくつかある“こんな人”の中の一つに、この「嘘をつく人」もしっかりと入っているわけですが、ではどうしたら良いの?という話になりますね。
個人的な理解としては、そうは言っても全ては自分の内面の投影。結局はそのような人との付き合いを切るというよりは、私自身の中の何かを投影してくれていると捉え、その部分を解決していかなければならないということだと理解しています。今年はそのようなことを機に内側を掘り下げる材料にしておりましたが、ナゾは尽きないというか。笑 「人はなぜ嘘をつくのか」というタイトルの本が巷に出回っていますが、人間とは何かを理解する上では一つの登竜門だと思っているので、私のソーラーアークの太陽が蠍座に入る来年度は、こういったことも掘り下げていこうと思っています。
それではまた、次回ブログでお会いしましょう!


