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ネイタルチャートの読み方が分からないあなたへ

これまで占星学をシェアさせていただいてきた中で、様々な方を見てきました。その中には以前星読みの本を読んだり勉強したことがあるけど、結局自分の出生図(ネイタルチャート)の読み方がわからないまま放置していたという方もたまに見かけます。

 

読めない理由は複数考えられると思っていまして、今回はそのよくある原因と対策について触れていこうと思います。このタイトルにひかれてやってきたあなたが、占星学の世界に触れたばかりであっても、そうでなかったとしても、やはり読めない理由には共通するものがあるものだと自分は感じます。

ネイタルチャートが読めない原因

そもそも何故ネイタルチャートが読めないのか、というところについて考えていきます。まず、「読めない」と言っても人それぞれ意味していることが異なるのではないでしょうか。

  • そもそも組み合わせられないところでつまずいている方
  • 一応は読めるのだけど上手く読めないという方

 僕の主観としてはこの二つの中間のようなところで漂っている人が多い気がします。読めてるのか読めてないのか、いまいちピンと来ていないという感じの状態だったり、部分的には読めても、それ以上膨らまないなど。

これには複数のパターンがあると思っていまして、今回の記事では以下の4つについて触れていきます。

  1. 正解がわからない
  2. シンボルを読むという概念を理解できていない
  3. チャートの諸要素について、それぞれが何を担っているかの理解が曖昧
  4. 当たらない=読めていないと認識している
  5. 場数が足りていない

これらは別々のテーマのようで、実際のところ一か所に集約される話でもあると思います。とどのつまりという話をしてしまうと出オチになるのでひとまず細分化して考えていきましょう。

クエスチョンマーク
ぼんやりと浮かび上がるクエスチョンマークが少しでも解消されるとうれしいです。

①正解がわからないというケース

ネイタルチャートを読む難しさとして、単に1+1は2というように、明確な答えが用意されていないことが挙げられるかもしれません。読めてるのか読めてないのかわからないという方は実際よく見かけます。

 

チャートはある意味答えが用意されているものではなく、どんな答えを導き出すかが扱う人自身に委ねられています。特にネイタルチャートを扱う際はそうだと思います。なのである人がそれで正解だと言ったとしても、ある人はそれは違うと言ったりすることも起きるでしょう。

 

では、何が正しい解釈なのか?これに関して正解も間違いもないのだと語る人も見かけますが、自分はそうは思いません。もしそうなら、わざわざチャートを読む必要もないからです。自由帳に絵を描くこととは違います。この辺はシンボルという概念を理解する必要があると思うのですが、それはさておき。

 

ある程度正しい解釈とそうでない解釈はグラデーションになっており、その人がどんな意図や目的、マインドセットで読むかということによっても変動するものだと思っています。

 

ただ、まずは正解を探し回るのでなく、ロジックを組み合わせるところから慣れていくのがいいと思います。そこに論理的性が伴っているかを確認しながら読むところからでいいのではないかなと。そのうえで、自分の読む目的や意図に沿った理解ができているかというところを確認していくのがいいかもしれません。(またここについては3番のお題にもつながってきます。)

 

①補足~個性占星学のスタンスなら…

その人のスタンスや意図によって正しい解釈は変動すると持論を述べましたが、これに関して補足説明させていただきます。例えば、2ハウス土星について、抑制するエネルギーが2ハウスに働いているので、「お金を得ることに苦労する」という読み方があったとします。これは読めているか読めていないかでいえば、人によっては読めているし、正しい解釈だと考えるでしょう。

 

しかし、我々的にはうーんという感じです。

 

というのも我々個性占星学では、占星術と占星学を分けて扱っていますが(詳細はコチラ)、これの違いはまさに意図や姿勢、視点の違いです。占いと視点が異なるため、そこに合わせて「正しい解釈」や「的を得ているかどうか」も異なります。なので我々から見ると、2ハウス土星の配置について、「お金で苦労する配置」という解釈は間違いとは言いませんが、あくまでそれは表層的な可能性の一つでしかなく、少なくとも読み方としては本質的ではありません。言葉としては読めているけど、意味としては理解が不十分というイメージです。

 

②シンボルを読むという概念を理解できていないケース

ネイタルチャートに描かれているのは単語の羅列ではなくシンボルの世界です。これを読むとなると、ただ単語を扱うという考え方ではどうしても限界があります。しかしながら、世間一般で言われる計算能力や情報処理能力とは少し違った考え方をする必要があるため、なかなか感覚が掴めないという方もいらっしゃいます。もちろん最初は正確なキーワードを押さえていく必要がありますが、ずっとキーワードをつなげていくという発想のままだとどうしても頭打ちになってしまうでしょう。

 

実際、長らくこの限界に悩まされていた人を身近で見たことがあります。客観的に見ていると、単にシンボルの扱いに頭が慣れていないのだろうと感じました。シンボルは立体的なものですから、一つ一つの天体やサイン、ハウスに関してどれくらい立体的な理解ができているかということが一つのチェックポイントです。また、そもそも単語とシンボル、この違いを掴めているかも一つ大事なポイントだったりします。ちなみにその人は今ではここの感覚をつかみ始め、読み方もまた生きた分析に変化していっています。

 

特に普段から何かをラベリングして効率よく理解することに慣れている方にとって、少し挑戦になる部分があるのかなと思います。シンボルは右か左かという考え方というよりは立体的でグラデーションのあるものです。これの理解を助けるのがギリシャ神話でもあると思います。ただし、まずは要点を理解しておく必要があります。そしてなにより、イメージだけに振り切れるともはや妄想の域に入っていきます。難しいのはこの辺の匙加減かもしれません。

 

シンボルをどう理解していいか、どう扱えばいいのかについては少し前に占星学倶楽部会員に向けた記事で、より詳細に解説した記事を書かせていただきました。興味のある方はぜひ占星学俱楽部のページもご覧ください。

ギリシャ神話のワンシーン
ギリシャ神話のワンシーンを描いた絵画。ギリシャ神話はシンボルの立体的なイメージに役立つ。

③チャートの諸要素について、それぞれの役割の理解が曖昧なケース

これも占星学をお伝えしている中でよく目にするケースなのですが、そもそもホロスコープを読む際には、それぞれが表す要素について明確に役割を分けて認識しておく必要があります。例えば、サイン、ハウスの違いを曖昧にしたまま読もうとはしていませんか?また、天体がそもそもホロスコープの中でどのような役割を持ったものなのかが分かっていなかったりすると、やはりうまくいきません。しかし意外とスルーしたままキーワードやイメージだけで進んでしまう人もいらっしゃるようです。

 

それぞれのパーツを組み合わせて理解するには、まずそれぞれのパーツの輪郭を明確にしておく必要があるでしょう。シンボルが持つキーワードや力学もそうですが、そもそもどんなカテゴリに属しているかという背景を認識しないと始まりません。これをしないまま読もうとしてしまえば、やはりどこかで分かったのか分かってないのか、読めてるのか読めてないのか、いまいちピンとこないようなストレスや、モヤモヤ感を抱えるのではないかと思います。ちなみにソースは学び始めたばかりの自分です笑

 

自分の扱っているものが曖昧だと、やはりすっきりと「読めた!」と感じる体験が得にくいものだと思います。何より自分の中で自信が持てません。ちゃんと自分の中で確信や納得感を得ていくためにも、明確なロジックが必要です。ここは先ほどのシンボルの話と一見矛盾するように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。シンボルを理解することは、決して曖昧にぼんやり理解するという話ではなく、むしろ明確なロジックを押さえながら具体的かつ多面的に理解するということです。

④当たらない=読めていないと認識しているケース

ある程度言語化するだけならできるし、ハウスやサインの役割の違いも分かる。しかし、なんだか自分のチャートや誰かのチャートを見ても当たらない、しっくりこない。もしやこれは読めていると思っているだけで読めていないのでは…!?というケースについてです。

 

これについてはケースバイケースですが、まず大前提として、的を得た解釈をすれば、必ず当たるというのは間違いです。そもそも当てるために読んでいるのであれば別かもしれませんが…

 

当たる当たらないという次元の話をしてしまうと、サインにしても、難しい側面や未熟な場合に陥りやすい側面はそれこそ「当たりやすい」です。なぜなら、難しい側面なわけなので、そこに引っかかってパターン化している場合が多いからです。一方で、最高の可能性を読もうとしたとき、それはその人がそのテーマに取り組み続け、自分の力となった先に初めて表現される可能性なわけなので、そのようにうまく力を発揮している人の方が少なかったりします。例えば、MCを発揮できている人はおそらくほぼいないのではないかと感じます。ここで言うMCはけして職業的な次元の話ではありません。

 

また、使っているキーワードやイメージなどがうまくかみ合っていない可能性もあります。例えば、本屋には多くの書籍があり、インターネットの世界を見てもたくさんの情報が載っていますが、やはり玉石混合だと感じます。個人的に見ていて思うのは、鵜呑みにしない方がいい話もかなりの比率であるなということです。

 

このように違和感のあるキーワードやイメージを使っていると、そもそもピンとこないというのはあるでしょう。

他にも自分のまだ見ぬ部分や目をそらしている部分もピンと来なかったりします。なのでケースバイケースです。必ずしも当たらない=読めていないという図式にはなりません。

 

たくさんの単語が載った辞書
雑多な情報が溢れているものの、鵜呑みにするのは禁物。

④補足~セッションで起きた出来事

例として、一緒に占星学講座やセッションを行っているプーが、ある日知人に頼まれてその人のネイタルチャートを読むことになったそうです。しかしそのセッションでは、全くピンとこないという感じで、ちゃんと話を聞いてるのか聞いてないのかよく分からないというような感じだったそうなのですが、それから二年ほど経ち、その知人がセッションで出た話をようやく自覚したということが起きたようです。

 

このような話は結構あります。当たっているかどうかはその人の主観によるものなので、意外とあてにならないことも多い印象です。人それぞれ、フィルターがかかった状態で生きています。

 

場数が足りていないケース

結局のところここに集約されていくのですが、読むのにまだ頭が慣れていない状態だと、どうしても頭が複雑なイメージを扱うことに対して億劫になりがちです。場数をこなしていくことはやはり必要でしょう。トライ&エラーをどれくらい繰り返すかが大事です。

 

また、この場数については、単に読んだ回数だけでなく、その人がどれだけ占星学に触れてきたかも大事だと思っています。これについて次の章で触れていきます。

ネイタルチャートを読むためには「体験」が大事!

ここまでネイタルチャートが読めないと感じる際のいくつかの要因について自分なりに言語化させていただきました。最後にもう一つ、非常に重要な部分について触れて締めようと思います。ホロスコープを読むために重要なのは、やはり現実的な体験です。

 

体験以上にネイタルチャートを理解できるアクションはないと思っています。なぜなら、それがなければ机上の空論だからです。チャートを読むとなると、机にチャートを出して、うーんとうなるイメージを思い浮かべますが、自分の体感としても、現実的な出来事を通して、チャートを理解できた時が最も腑に落ちます。それはもはや確信という感じです。

 

読めてるか読めてないのかよくわからないという感じでなく、明確にこの配置がこのように機能しているのだなと。体験がもたらす情報量は膨大です。どう手を尽くしても読めない、わからない、と仰る方には、「実践してみて!」とお伝えしています。頭だけで理解しようとしている方も多いですが、それでは限界が訪れます。

 

頭だけで成立させるのであればAIと変わりませんが、人間には物理次元で肉体を持って経験するということができます。頭の中だけでなく、五感や心を使って理解するには、やはり体験あるのみです。

 

体験を通して感じたこと、自分に浮上したテーマ、そういったところをネイタルチャートの要素に見出していくことができると、それこそ立体的な理解につながっていくはずです。

 

まずはある程度正しく、本質的なキーワードを抑えることも大切です。何故ならそこを主軸にして情報を精査することができるからです。情報が溢れ、何でも独学しやすい時代ではありますが、それ故に星読み界隈はカオスになっている気がします。既に精査された情報に触れられるのは、講座を受講することのメリットだと思っています(宣伝笑)

 

そんなこんなで、講座も行っておりますゆえ、チャートが読めないと感じていらっしゃるあなたも大歓迎です。興味があれば是非下記バナーからカリキュラムをご覧ください。

この記事を書いた人:

タニコ
タニコ

占星学士。教育をテーマに立ち上がった占星学グループで霊的な占星学を学び、講師としても研鑽を積む。2021年に個性占星学を立ち上げ活動を開始。霊的な学校で意識と現実について10年以上学んだ経験も活かしながら、三面観音プーと占星学講座とセッションを実施中。Xでも占星学について投稿中です!より詳しくは講師紹介ページをご覧ください。

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